期間工の平均年収はどのくらい?
期間工とは、あらかじめ決められた期間だけ働く契約社員のことです。企業と雇用契約を結ぶことで、最長35ヶ月間にわたって現場で働くことができます。
終身雇用が基本である一般的な正社員と比べると、やや変則的な働き方といえますが、期間工として働くとどのくらいの収入を得られるのでしょうか?
今回は、期間工の平均年収や、高収入の理由についてまとめました。
期間工の平均年収は400~500万円程度
期間工は月給制の正規社員とは異なり、日給制または時給制が採用されています。
具体的な日給・月給は雇用先や採用時期によって異なりますが、時給は1,100~1,500円程度、日給は1万円前後がおおよその相場となっています。
仮に日給1万円で月に20日間働いた場合、1万円×20日間=月給20万円となります。
ただ、実際には時間外手当などの諸手当が支給されるため、月収例は30万円を超えるケースがほとんどです。諸手当を含む月収が35万円の場合、年収は420万円に達する計算になります。
期間工の勤め先であるメーカー工場は24時間体制で稼働しているため、深夜勤務や休日出勤で多くの手当が支給された場合、年収が500万円を超えるケースもあります。
国税庁が毎年実施している「民間給与実態統計調査」の結果によると、令和元年分の平均年収は正規社員で約503万円、非正規社員で約174万円、全体の平均年収は436万円です。[※注1]
年齢階層別の平均給与をチェックすると、平均年収が500万円を超えているのは50代のみで、20代は264~369万円、30代は410~445万円に留まっています。
一般的に、女性より平均年収が高いといわれる男性でも、平均年収が500万円を超えるのは30代後半以降ですので、20~30代の若年層なら、期間工として働いた方がより多くの賃金を稼げる可能性が高くなります。
[※注1]:国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」
お祝い金や各種手当てが充実!期間工の年収が高い6つの理由
期間工は雇用期間が決まっている非正規雇用ですが、その年収は非正規社員の平均年収である約174万円を大きく上回っています。
なぜ同じ非正規社員でありながら、正社員並、あるいはそれ以上の年収を稼ぐことができるのでしょうか?
その理由は大きく分けて6つあります。
1.入社祝い金が支給される
期間工として企業と雇用契約を結ぶと、入社祝い金として一時金が支給されます。支給額は雇用先や雇用条件によって異なりますが、最大で40~50万円のお祝い金が支給されるケースもあります。
雇用されれば無条件で支給されるところも嬉しいポイントです。
2.満了手当が支給される
満了手当とは、雇用契約が満了を迎えた際に支給される一時金のことで、別名「満了慰労金」とも呼ばれています。支給額は雇用先や契約期間によって増減しますが、基本的に長期間働くほど金額が上乗せされる仕組みになっています。
メーカーによっては、最大35ヶ月間にわたって働いた期間工に対し、100万円を超える満了手当を支給するところもあります。
3.その他各種手当が充実している
4.安価な賃料で住める寮を完備している
メーカーは自社工場のある地元だけでなく、全国から人材を確保できるよう、期間工向けの寮を完備しています。生活に必要な家具や家電は備え付けで、寮によってはWi-Fiを利用できるところもあるようです。
入寮した場合、毎月寮費を支払う必要がありますが、企業が借り上げまたは自社所有している物件なので、一般的な賃貸アパートやマンションよりも安価な賃料で住むことができます。
また、賃料には水道光熱費が含まれていますので、生活にかかるコストを最小限に抑えられます。生活支出費を節約できるぶん、より多くの賃金を手元に残せるのも期間工ならではのメリットです。
5.雇用先のほとんどは大手メーカー
期間工の主な雇用先は、大手の自動車メーカーや建材メーカー、家電メーカーなどです。大手企業は待遇や福利厚生が充実しているため、短い期間でもしっかり稼ぐことが可能です。
また、メーカーによっては期間工から正規社員への登用制度を導入しているところもあり、長期にわたって安定した収入を得たいと考えている方にとっては、転職にも有利な職場といえます。
6.中間マージンを取られない
派遣社員の場合、人材派遣会社に中間マージンを取られてしまうため、自分の取り分が少なくなってしまいます。
一方、期間工はメーカーと直接雇用契約を結ぶので、中間マージンを取られる心配がなく、より効率的に稼ぐことができます。
期間工なら短期間で高年収を狙える!
期間工は雇用先が大手メーカーであること、各種手当が充実していることから、短期間でも高収入を狙えます。寮や福利厚生も充実していますので、短期集中で稼ぎたい方にぴったりです。
ただ、賃金体系や手当の種類は雇用先によって大きく異なりますので、期間工として働きたい場合は、雇用先をじっくり比較検討されることをおすすめします。